はやみねかおるさんの小説「ディリュージョン社の提供でお送りします」の魅力をお伝えします。
はやみねかおるさん
はやみねかおるさんの本は、皆さん一度は読んだことがあるのではないでしょうか。
「名探偵夢水清志郎」「怪盗クイーン」「都会のトム&ソーヤ」などの人気シリーズを次々と生み出し、子どもから大人まで幅広い世代に愛される作家
1964年、三重県に生まれる。三重大学教育学部を卒業後、小学校の教師となり、クラスの本ぎらいの子どもたちを夢中にさせる本をさがすうちに、みずから書きはじめる。
私は、小学6年生のときに、担任の先生が教室に置いてくれていた「都会のトム&ソーヤ」を読んで、すっかりハマってしまいました。
私はそれまでは、本なんて全く読んできませんでしたが、むさぼるように最新刊まで読んでしまったくらい、子供たちを虜にする作者なんです!
ディリュージョン社の提供でお送りします
それでは、「ディリュージョン社の提供でお送りします」とは、どんな本なのでしょうか。
2017年に発売され、続編の「メタブックはイメージです」が2018年に発売されました。
この二つの時系列は、
- 1作目は、主人公「森永美月」がディリュージョン社に入社したところ
- 2作目は、主人公「森永美月」が入社して5カ月目
の時点から話は始まります。
どちらから読んでも、話は理解できますが、森永美月が周りの社員との関係を構築していく様を読んでほしいので、1作目から読むのがおススメです。
あらすじ
簡単にあらすじを紹介します。
小説の世界に自分も入り込みたい!と思ったことはありませんか?
それを可能にするのが、ディリュージョン社です。
実際に、セットを組み、俳優さんらを雇い、小説を現実に再現します。
そんな素敵なサービスを提供する会社に、本を全く読まない森永美月が就職したら、どんな困難が待ち受けているのか!
新人社員、森永美月がディリュージョン社で働くなかで、不可解な事件が起きる!
普段からミステリーを読む同僚たちとは違い、本を読まない森永美月の目線だからこそ、解ける事件の謎!
終盤に一気に全ての謎が解かれていくのは、とってもスッキリしますよ!
1作目
物語を現実世界で体験できる新しいエンターテインメント「メタブック」を提供する会社――ディリュージョン社で働く新人エディターの森永美月(もりながみつき)と、天才作家と名高い手塚和志(てづかかずし)。突如舞い込んだ「不可能犯罪小説を体験したい」という厄介な依頼に、完璧な台本と舞台を用意する二人。しかし怪しい手紙や殺意ある事件、と不測の事態が続き……。リアル殺人鬼が登場人物の中にいる!?
思いもよらない結末が待っています!
そんなこと考え付かなかった!という謎解きにぞくぞくします。
上のリンクから「サンプルを読む」をクリックして、読んでみましょう。
2作目
自分が小説の主人公になれる!? 物語世界をリアルに体験できるエンターテインメント「メタブック」を提供するディリュージョン社。新入社員の森永美月はある日、自殺した作者が最後にのこしたと噂される『呪われたメタブック』の存在を知る。その物語は読んだ者に不幸な出来事をもたらすという。誰もが関わりたがらない中、怖い物知らずの美月は呪いの正体を暴こうと奔走する!
登場人物一人一人の個性が際立ち、皆それぞれが事件を解決しようと立ち回る!
最後には、こんなに複雑な話だったのか!と驚きます。
自由奔放に生きる森永美月の性格も、読んでいて面白い!
みんなの感想
みんなの感想を紹介していきます!
はやみねかおる『ディリュージョン社の提供でお送りします』読了
— 柚妃@読書垢 (@simoyuzu1) 2020年8月25日
読書とは物語の疑似体験。自分が登場人物となり物語に飛び込むという夢を叶える会社。そこを舞台に物語を愛する者と全くの無関心の者が己の価値観を出しながら物語を創り上げる。平坦な文章ながらも丁寧で地に足ついた結末。 pic.twitter.com/72rX7tW1d3
とっても読みやすい文章だけど、しっかりミステリーなんです。
ミステリに関心がある方には、はやみねかおるさんの「ディリュージョン社」シリーズをおすすめしたい。普段はジュブナイル(児童向けの小説)を主に著してる方なので、非常に読みやすい。キャラクターも様々で笑いあり謎あり涙あり?!な世界観。子供の頃から大好きな作家さんです。 #読了
— どうする𝕂𝕒𝕤𝕚𝕔𝕠 (@kktots1) 2020年8月1日
キャラクターが変人すぎて、読んでいて面白い。
変人すぎて、共感できないかも。
「ディリュージョン社の提供でお送りします」 はやみねかおる
— 花梨糖 (@karintoma_book) 2020年7月18日
探偵らしい探偵が出てこない推理小説。森永美月も手塚和志もいい感じに抜けてて、もう大好き😆💕
何か起こると分かっていても起こったときのどきどきとわくわくが楽しかった。#読了
テンポがはやいから、次々何かが起こって楽しい!
「この番組は竜王グループとご覧のスポンサーの提供でお送りしました」のご覧のスポンサーには絶対ディリュージョン社入ってると思うんだよね〜
— isaku (@i_saku5Traumqj) 2021年3月2日
はやみねかおるさんの書く本は、全て世界観が繋がっていたり、パラレルワールドの話だったりします。
だから、都会のトム&ソーヤに出てくる竜王グループと、ディリュージョン社は同一世界に存在するかも。
私はディリュージョン社をまだ読めてないので、モリナガ存在論(平行世界•内人くんの創作説)について煌ちゃんと話していたのですが、一番面白かったのは
— 喜幸 怜那❄︎ネーム0/? (@Reina_Kiyuki) 2022年8月17日
煌「モリナガとテヅカさんは恋愛というよりバディに近いかな」
私「内藤恋愛わかんないもんね……」
という会話でした。推しをdisりすぎ
主人公の森永美月って、都会のトム&ソーヤの内藤内人のようなサバイバル能力を持っているんです。
だから、「ディリュージョン社の提供でお送りします」は、内藤内人が大人になって書いた小説なのでは?という説があります。
そうだとしたら、内藤内人は恋愛に疎いので、恋愛小説は書けないよね(笑)ってことです。
「ディリュージョン社の提供でお送りします」「スナップ」#はやみね版深夜の真剣お絵描き60分一本勝負 pic.twitter.com/EqWSXoGD6v
— 小人 (@otibok) 2018年7月21日
素敵!
こういうの考えるの楽しい
— とねり🛳 (@al_bm_cn) 2021年3月21日
夢水→怪クイの流れが自然だけどバスパ前にモナミ読んだ方が面白いし、トムソより先にモナミと怪クイ読んだ方がよさげ。トムソ読んだ後にマジカルライフとディリュージョン社読むと面白そう。恭助は夢水の新シリーズより前だったらどこでもかな pic.twitter.com/qCxXL2jlyT
はやみねかおるさんの作品はたくさん!
どれから読んでいいのか迷った人は是非参考にしてみてください。
名言
それでは、「ディリュージョン社の提供でお送りします」の名言をいくつか紹介します!
手塚和志「子供の頃、この国に来て一番不思議に思ったのは、みんなと同じでないといけないってことだった。他の人と違ってると恥ずかしい、隠さなくてはいけない。口では「個性の尊重」なんて言ってるが、本音は違う。みんなと同じになるように個性を殺し、違う者を排除する。(後略)」
手塚は、人と違うと言われる辛さを知っています。
どんな過去があったのか、気になりますね。
手塚「羊羹が曲がっているかどうかは、外から見ないとわからない。中に閉じ込められた蟻には、羊羹が曲がっているかどうかなんて、想像もできないでしょうね」
(中略)
手塚「わたしたちは、羊羹の中の蟻。ーそれだけですよ」
(中略)
森永「わたしは決めた。もし、羊羹の中に閉じ込められているのなら、周りの羊羹を全部食い尽くして脱出してやる!」
森永美月が、手塚の言う意味を理解せずに強気に意気込んでいるのが、おもしろおかしいです。
でも、そういう性格の森永美月だからこそ事件が解決できちゃうのかもしれませんね。
森永「安心してください。わたしは真犯人ではありません。それは、わたしが一番よく知ってー」
次の瞬間、わたしの脳天に、ゴスっと手刀が落ちた。
ちょこちょこ、こういう笑いを入れてくるのが、はやみねかおるさんですよね。
とても楽しいです。