やくー

薬学部5回生によるブログです。

薬学部の研究室は何をする?

どこの研究室に入るか迷っている…

悩む理由として、

  • 研究室では何をするのか?
  • 1日のスケジュールは?

など、イメージがつかないのではないでしょうか。

私も、配属される前までは、

  • 実験の内容は誰が考えるのか?
  • 先生と話す時間はどのくらいなのか?
  • 先輩はどの程度教えてくれるのか?
  • やることがなくて困ることはないか?

このような悩みでいっぱいでした。

研究室の種類やオススメは、調べたら出てくるけど、上記のような内容は出てこない!

薬学部4回生で研究室配属から9カ月経った私が、できるだけ具体的にお伝えします。

研究室では何をするのか?

テーマを教授から伝えられ、それについて研究する

ここまでは、ご存じかと思います。

では、どのように研究していくのでしょうか。

研究の流れ3パターン

1つのテーマを研究するにあたって、研究には始まりと終わりがあります。

研究テーマの決まり方、その後の進め方の例を3つご紹介します。

教授が、外部の企業や病院から実験を依頼される

この場合は

「ラットにこの薬を4週間、○mg経口投与し、血液と胃を採ってほしい」

「患者5人の血液を渡すので、薬の濃度を測ってほしい」

などと、依頼が来ます。(あくまでも例です)

必要な試薬は何か、実験の機械はあるか、ないならどこに委託するか、など学生自身で文献(過去に投稿された論文のこと)調査などで調べ、まとめのパワーポイントを作り、教授に報告・OKをもらいます。

そして、実際に実験を行っていきます。

教授の専門分野の研究テーマを、教授から与えられる

「この機械を使ってできて、まだ誰も行っていない実験を文献調査して調べてください」

などと教授から言われるので、数週間文献調査を行い、まとめたことをパワーポイントなどにして教授に報告します。

教授と話した後、具体的に

「この薬をこういう機械でこんな実験をして、こういう結果が得られるだろうから、実験の方法を調べて」

と話が進むので、実験方法を文献調査で調べ、プロトコルを学生で作り、それに従って実験を行います。

以前の研究テーマの実験で成果が上がらなかったため、新たなテーマを教授から与えられる

「このテーマで、周りはどんな実験が多いのか文献調査してください」

などと教授から言われるので、数百の論文にざっと目を通し、テーマの最近の研究傾向を把握します。

そして、具体的な研究内容をいくつか提案し、教授と話し合って今後の方向性を決めます。

 

研究の時間配分、スケジュール

では、一つの実験を行うにはどのようなスケジュールなのでしょうか。

例でお伝えします。

  1. 文献調査で、行う実験を決める(2週間)
  2. 文献調査で、実験方法を調べる(1週間)
  3. 実験のプロトコルを作る(数日)
  4. 実験を行う(実験により、数日~数週間)
  5. 結果を考察する(数日)

このような時間配分で進めます。

企業との共同研究の場合や、卒論まで時間がない場合は、もっと切り詰めて行います。

それぞれの間には、先生との話し合いを入れアドバイスをいただきます。

よって、1カ月に1つ結果が出ると思えば良いです。

実験が上手くいかなかった場合は、プロトコルを変更してすぐに実験を行います。

同時に複数の実験を進行する場合ももちろんあります。

 

実験は、

  1. 薬の投与(1日~数週間)
  2. サンプル採取(数日)
  3. 測定(数日)
  4. データ回収・統計処理(1日)

の流れがあるので、必ずしも1日で終わる訳ではありません。

 

先生との話し合い

先生とはどのくらい関わりがあるのでしょうか。

関わりの度合によっては、先生との相性が大切になってきますよね。

先に研究の時間配分、スケジュールで述べた通り、1から5ステップの各間に先生との話し合いを行います。(3~5の間は話し合いをしない場合も多いです)

よって、数週間に1度は話し合いをすると考えて良いでしょう。

研究室には、先生は複数人いることがほとんどですので、先に講師の先生と話し合いをしてから、教授との話し合いに向かうという場合もあります。

 

話し合いの時間は、数日前に先生にアポイントを取り、10分~1時間ほど行います。

パワーポイントなどを使って学生が5分~10分程度の説明を行い、その後、先生のご指摘、アドバイスをいただきます。

 

先輩はどの程度教えてくれる?

先輩は、自分よりも1年、2年も多く研究を行っており、自分との差がとてつもなく大きく感じます。

自分は知識がゼロの状態からなので、

  • 研究の流れ
  • 実験の手技
  • データの統計処理の方法
  • プロトコルの作成方法
  • 試薬の保管場所

などを毎日少しずつ教えてもらいます。

教えてもらった内容は記録し、日によってはA4ノート2枚ほどの量になります。

ただし、

  • 時間に追われており、足手まといになる
  • 実験方法の確立の最中のため、教えることがない
  • 講義などで先輩と自分の予定が合わない
  • 今後はしない実験のため教える必要がない

このような場合には、先輩は実験をしているが、自分は別行動をすることになります。

別行動とは、

  • 先輩のしている実験のプロトコルを読む
  • 自分が与えられている他の仕事をする
  • テーマに関わりのある文献を探し、読む
  • 先輩や先生の文書でのやり取り(Slack)を読む
  • 雑用(実験器具の洗浄、準備)を行う

などが挙げられます。

やることがなくて困ることはある?

毎日、先輩の方から「これからこの実験するから、来て」と声をかけてくださるので、あまり心配しなくても良いと思います。

ただ、先輩と話さない日もあります。

やることがなくて困ることはないのでしょうか?

答えは、やることは山積みなので心配しなくても大丈夫です。

先に別行動として挙げたことの中で、毎日しなければならないこととして、

  • 先輩や先生の文書でのやり取り(Slack)を読む
  • 雑用(実験器具の洗浄、準備)を行う

があり、これをするだけでも、1日はあっという間に過ぎます。

もし、先輩に教えてもらっていなくて、不安だなと思えば、自分から

「お疲れ様です。何か手伝えることありますか?」と言えば、

たいていの場合「じゃあ、これしてもらおっか」と指示してくれますし、

「今はないから、こういう文献について調べてくれる?」

と言ってくださいます。

(以上は、1つの研究テーマを複数人で研究する場合の話です。)

 

また、ゼミ(セミナーとも言う)という、一人20分から研究室によっては1時間ほど、プレゼンをする会議が毎週1時間から2時間あります。

担当が数ヶ月に一回まわってくるので、その準備もしなければなりません。

なので、やることがなくなることは全くと言っていいほどないのです。