やくー

薬学部5回生によるブログです。

【HPLC】未知試料の極性と検出時間!移動相の調整を変えると?

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HPLCを使った実験をしたことがありますか?

私は1度だけ使いました。
実習試験で1番「よく分からん」と悩んだので、解決した部分をまとめていきます。
よろしくお願いします。

 

 

HPLCの装置

 

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まず、HPLCの装置は

ポンプー注入器ーカラムー検出器


の順に繋がっています。


測定のポイント

ポイントは2つあります。

  • アミノ酸を2,4-dinitrofluorobenzeneで誘導体化することです。
    誘導体化すると、π-π*吸収帯をもつようになり高感度に検出できます。

  • 入れた未知試料の極性によって検出時間が変わってくることです。
    詳しくは次の章で説明します。
     
未知試料の極性によって検出時間が変わる?

固定相がODSなどの逆相の場合、

極性の高い未知試料→検出時間は短くなる
極性の低い未知試料→検出時間は長くなる

となります。

では、検出時間の話の前に、固定相と移動相から説明します。

固定相はODS(オクタでシルシラン)を用いることが多いです。
ODSは極性が低いです。

移動相は

0.2mol/L酢酸緩衝液(pH=4.8):メタノール=3:1を私は使いました。

溶離液とも言います。

自分で調製します。その後、脱気してHPLCポンプに入れます。
脱気しないと、空気が溶液内に入っていて正確な検出時間が得られません。

極性はODSよりも高いです。(調整の際に比を変えると極性は調節できます)


以上をまとめると

固定相→極性低い
移動相→極性高い

となっています。この関係で行うことを

逆相

と言います。

反対に
固定相→極性高い
移動相→極性低い

は順相と言います。

注入器で入れた未知試料は、その未知試料の極性と近い極性を持つ相にくっつこうとします。
従って、

固定相→極性低い
移動相→極性高い

となっている逆相では、極性の高い未知試料は移動相にくっつき
極性の低い未知試料は固定相にくっつきます。

移動相にくっつくと検出時間は短くなり
固定相にくっつくと検出時間は長くなります。

よって
極性の高い未知試料→検出時間は短くなる
極性の低い未知試料→検出時間は長くなる

 

注入するのが遅くなるとピークの高さはどうなる?

 

丁度良い時間よりも注入するのが遅くなってしまうと、
誘導体化される試料の量が増えるため通常よりもピークの高さが高くなります。

標準試料の濃度とピークの高さをxとy軸にとって検量線を描くので
ピークの高さに影響する操作には気を付ける必要がありましょう。

定量する場合は、誘導化するために2,4-dinitrofluorobenzeneを標準試料に加えてからHPLCに注入するまでの時間を一定にしましょう。

 

移動相の調製を変えると検出時間はどうなる?

 
例えば、
逆相の場合、移動相(溶離液)の極性を低くすると検出時間はどうなるでしょう。

逆相  固定相→極性低い
    移動相→極性高い

未知試料の極性はもともと固定相と移動相の間にあります。
移動相の極性が低くなると未知試料の極性に近づいてくるので、
より移動相にくっつきやすくなります。

先に書いたように、移動相にくっつくと検出時間は短くなります。

まとめ

逆相の場合、移動相(溶離液)の極性を低くすると検出時間は短くなる。


最後まで読んでいただきありがとうございました。